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関西を中心に主にシャンソンピアニストとして活動してきた音楽家吉田 幸生のいろいろ

ジュリエット見聞記 2012/07/01

僕が常日頃サポートをお引き受けしているK氏のご好意でチケットを頂き、
雨が降り続く兵庫県芦屋市のルナホールに赴く。開演ぎりぎりに滑り込む。
受付係をされていた、顔なじみのS氏に問うと、
クロークは無いぜ、ということで大きなキャリーを引っ張りながら(仕事帰り)
空いていた2階最前列右端に陣取る。
まずは地元関西のシャンソン歌手:翔ユリ子の歌を聴く。
去年お流れになり、捲土重来を果たしたジュリエットの公演は関西ではここだけ。
だが日本では無名に近い。ほぼ満員のお客さんを集めたのは翔ユリ子の尽力。凄い。
その分、お歌の方は手慣れた歌でまとめ、無難に仕上げた感は免れぬ。

さて一時間ほどで翔ユリ子ステージは終了。舞台では配置換えが始まる。
ピアノが中央に来る。で、なんと、調律が始まった!
中域を中心とした微調整のようだが、気合いのほどが伝わってくる。
25分ほどのインターバルが終わり、再び会場が暗くなると、お!
シャンソン界ではおなじみ、解説の大野修平さんの登場だ。
お元気そうな様子は変わらないが、髪にだいぶ白いものが混じる。
もちろん人のことは言えないのだが。それにしても、
25年前は彼もしょっちゅう関西にやってきた。それも、
普通のシャンソニエでのライブに、まめに顔を出す。
アフターで一緒に飲んだくれながらシャンソン界の将来を案じたり、
といったおつきあいをさせて頂いたこともあった。時は流れる。
それはさておき、今日配られたパンフに載っているジュリエットのプログラムは、
あくまでも仮のもので、実際にどの曲をどういう順番でやるかはわからない、と断りが入る。
やらないかもしれないし、載ってない曲をやるかもしれない、と。
とは言え、ほとんどオリジナルである彼女の持ち歌を知らない僕に取っては、どうでも同じ事だ。

さあ、フランス語の達者な大野さんの軽快なコールを受けて、ジュリエットと2人のミュージシャンの登場だ。
ジュリエット、でかい。ウエストは並みの大人の3倍はあるだろうか、お相撲さん並みだ。
のっぽのスキンヘッドのおじさんがピアノのすぐそばでベースを構え、吊りズボンのおじさんがピアノに座ると
その間にねじ込むようにジュリエットが入り込んで歌い出す。時々変拍子の混じるスイング調のユーモラスな歌だ。
1曲終わるとピアノのおじさんはとっとと上手に追いやられ、
カホン(叩く椅子。楽器です。)に陣取ってアコーディオンを構える。
アコの鍵盤側にチョウチンアンコウの提灯みたいなものが付いているのが気になる。マイクではなさそうだが。

さて、ジュリエットが汗を拭いたり水を飲んだりするたびに、会場中に和み笑いが広がる。
何気ない仕草に皆さん癒されている感じだ。続いて今度は彼女自身の弾くピアノだけで、
ピアフの代表曲:パダムパダムが始まる。メリハリの利いた自分自身の伴奏で歌い上げる。
今日の会場に来ているお客さんなら、まず知っている曲だ。案の定喝采が起こる。
その後はずっと知らない曲が続く。その上、もちろんフランス語なので意味は聞き取れない。
会場にいるほとんどのお客さんがそうだろう。
だが、ユーモラスな表情も交えながら緩急自在に展開していく彼女の音楽に、皆引き寄せられているようだ。
二人のミュージシャンも、バンドリーダーでもある彼女の好リードに、さりげなくついていく。
一糸乱れぬ、ではなく、ま、このへんで許したってーなという感じの、肩の力の抜けたサポートだ。
(もちろん、ずれたり間違ったりしてる訳じゃありませんよ、念のため。)
ベースのおじさんはピアノに近いのでやや目立つのだが、その風貌と相まって、
お休みの曲(つまりジュリエットの一人弾き語り)の時の佇み具合が実に絵になっている。

もうちょっと聴いていたいな、という所で再び大野さん登場。どうやらお開きのようだ、
と思ったら再びアコのおじさんがピアノに座り、
ジュリエットは譜面台を引っ張り出してきてでっかいノートを置く。
アンコールとして、サービスで「上を向いて歩こう」が始まる。日本語だ。
ノートにローマ字が書いてあるにしても、充分にこなれた歌いっぷりだ。
しかも、サビ(幸せは雲の上に、幸せは空の上に)は3人で3和音ハモリだ!こりゃナイス!
サポートのお二人も日本語を覚えてハモッているのには驚いた。なかなかできんで。

再び大野さんによる出演者のコールがあり、
ジュリエットを招聘したプロデューサー千葉美月さんもちらっと登場、
これで公演はおしまい。

ジュリエット:1962年生まれ(ほぼ同世代だ)
ジュリエットといってもグレコのことではない。彼女の上の名前はヌレディーヌ。
Juliette Noureddine で検索すれば色々出てきますよ。
例えば
http://www.youtube.com/watch?v=zf709RqaKYg
http://www.youtube.com/watch?v=fNZUTI5DK2s&feature=related
パダムパダムもあったわ。
http://www.youtube.com/watch?v=z_ykHvQ0IcI&feature=related
もちろん、パリでは押しも押されぬ大歌手です。

ところで、パンフレットの解説で、最も影響を受けた歌手はジャックブレルとのこと。
彼の「内気な人」という曲、パンフの予定曲目にも載っていたが歌わなかったようだ。
http://www.youtube.com/watch?v=tzkt8Mn361Y
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まとめtyaiました【ジュリエット見聞記 2012/07/01】

僕が常日頃サポートをお引き受けしているK氏のご好意でチケットを頂き、雨が降り続く兵庫県芦屋市のルナホールに赴く。開演ぎりぎりに滑り込む。受付係をされていた、顔なじみのS氏

まとめwoネタ速neo 2012-07-04 (Wed) 02:30