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吉田幸生WEB

関西を中心に主にシャンソンピアニストとして活動してきた音楽家吉田 幸生のいろいろ

カスカレスさんの思い出

25年前(だいたい)、ヤスコさんがフランスのミュージシャンとコンサートするのに、シンセサイザーのサポート役で呼ばれた。たぶんDX-7かなにかを担いでリハに赴いた。現場に着き、挨拶を済ませた所で突然ヤスコさんが「私用事があるから先にリハやっといて」と出て行ってしまった。
え。
あの、僕フランス語聴き取れない喋れないんですけど。
ピアニストのジルベールカスカレスさんも、歌手パトリックミナールさんも日本語聴き取れない話せない。
少し英語の心得があるミナールさんがコンタクトを試み(てくれたと思う、たぶん)たが、それも覚束ないとわかると、言葉によるコミュニケーションは諦めた我々のリハが始まった。

楽譜はごく簡単な代物で、どこでどんな音を出せば良いのかは全くこちらに委ねられている。
で、ともかくもせーので音を出してみて、良ければカスカレスさんが一言「OK」。だめなら「ワンモア(もう一度)」。ダメな時は、どこがどうダメなのか、フレーズがだめか、音色がダメか、ボリュームがだめか、一切説明は無く、ただひたすらワンモアを繰り返すのだ。
そんな音合わせが約3時間。次第に何となく掴めてきたのだろう、OKの数は増えていったように覚えている。

本番がどうたったのか、などは全く覚えていないが、そんな若かりし日の一コマです。
今日25年ぶりに会いに行きます。


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