
テンポについて 〜 様々な速度用語・記号を考察する
1
テンポとは、曲の速さのことです。その曲の基本的なテンポが楽譜の冒頭に、言葉で書いてあることがよくありますが、そこにはたいてい何か一言、それもイタリア語だったり英語だったり、曲やリズムの形式だったり、込める気持ちが書いてあったり(優しく、など)てんでばらばらです。← 混乱の元
クラシック音楽で使われる速度表現をそのまま使う事が多いですが、概ね以下の通り(他にもあります)。数字は目安に過ぎません。
Largo(ラルゴ) 幅広く、ゆるやかに ♩=40~60
Adagio(アダージョ) ゆっくりと ♩=66~76
Andante(アンダンテ) 歩くような速さで ♩=76~108
Moderato(モデラート) 控えめなスピードで ♩=108~120
Allegro(アレグロ) 快速に ♩=120~168
Presto(プレスト) 急いだスピードで ♩=168~200
(出典:SEIKOのメトロノームのサイト http://www.sii.co.jp/music/try/metronome/01.html)
(いずれもイタリア語です。)
Largoは英語のLarge(ラージ=大きい)と、Moderato はMiddle(ミドル=真ん中)と同じ語源です。
英語の表現はもっとテキトーで、SlowかFast、そして必要ならVeryかMedium を組み合わせるだけです。英語、イタリア語いずれにしても、あいまいなものです。曲の雰囲気を伝えるだけのものと思って差し支えないです。
2
シャンソンではリットとアッチェルをよく使います。
曲の終わりなど、だんだん遅くしたいときはリット。rit. (=ritardando リタルダンド)(rall.=ralletand ラレンタンドも同じ意味)
だんだん早くしたい時はアッチェル。accel.(=accelerando アッチェルランド)
この、だんだん というのもテキトーなもので、正確には、何小節目から何小節目の間で♩=100 から ♩=50 へ という風に書くしか無いでしょう。しかも、ポコpoco(少し) とか、ポコアポコpoco a poco(少しずつ) が付くこともあります。rit,やaccell.が数小節〜数十小節にわたる場合に付くようです。なお、元のテンポに戻る時はa.t.(a tempo アテンポ)と書きます。
3
だんだんではなく、そこから急に違うテンポにしたい場合も、特にシャンソンの場合よく出てきます。その場合はPiu Mosso(ピウモッソ) これまでより早く Meno Mosso(メノモッソ) これまでより遅くという表現を使います。これもあいまいなもので、正確には♩=数字 を併記するべきでしょう。最初のテンポに戻る時は Tempo I°(テンポプリモ)と書きます。
以上、1〜3を通じて、結局メトロノームの数字を書くしか正確には伝わらない、とはいうものの数字と併記することによって、思わぬ勘違いを防ぐメリットもあります。
4
その場所で長く延ばしたい、とか、(音を切って)止まりたい。という場合があります。延ばす時はその音符にフェルマータという、半円の中心に点がついたマーク★をつけます。止まりたい時は次の休符にフェルマータをつければ良い訳ですが、音符と音符の間に斜線(たいてい2本)を引いて「一旦停止」の意味に使う人がいます。一方、別に止まる訳でもないのに、区切りの意味でしょうか、何となくこの斜線が入っている楽譜も多々ありますね。(楽典としては斜線は定義されていません。)
また、フェルマータ以外に、テヌート(♩の上に短い横棒を引く)を使って「やや延ばす」という表現に使う事があります。テヌートが付くと、テンポもやや間延びする、と思って下さい。しかし、テンポは変えず、ただ粘っこくという意味の時もあります。その区別はありません。いずれにせよ、何拍(何秒)延ばすのか(待つのか)は正確には伝えられません(決まっていません)。
5
そして、シャンソンでは多用される Tempo Rubato (テンポルバート:盗まれた速度という意味)は、概ねリズムを止めて、拍を数えずに自由に歌い(演奏し)ます( ⇔ In Tempo インテンポ:一定の速度)。曲の途中でTempo Rubatoになる場合、インテンポに戻る場合は、a.t.(a tempo アテンポ)を書きます。
4,5の表現とrit.が混同されていることがよくあります。rit.は本当は一定の加速度(減速度?)で遅くなっていく時にしか使えません。
1〜5全ての語句は、楽譜の、該当する場所の上に書く事が多いですが特に決まりはありません。rit.だけは下に書く事が多いです。
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テンポとは、曲の速さのことです。その曲の基本的なテンポが楽譜の冒頭に、言葉で書いてあることがよくありますが、そこにはたいてい何か一言、それもイタリア語だったり英語だったり、曲やリズムの形式だったり、込める気持ちが書いてあったり(優しく、など)てんでばらばらです。← 混乱の元
クラシック音楽で使われる速度表現をそのまま使う事が多いですが、概ね以下の通り(他にもあります)。数字は目安に過ぎません。
Largo(ラルゴ) 幅広く、ゆるやかに ♩=40~60
Adagio(アダージョ) ゆっくりと ♩=66~76
Andante(アンダンテ) 歩くような速さで ♩=76~108
Moderato(モデラート) 控えめなスピードで ♩=108~120
Allegro(アレグロ) 快速に ♩=120~168
Presto(プレスト) 急いだスピードで ♩=168~200
(出典:SEIKOのメトロノームのサイト http://www.sii.co.jp/music/try/metronome/01.html)
(いずれもイタリア語です。)
Largoは英語のLarge(ラージ=大きい)と、Moderato はMiddle(ミドル=真ん中)と同じ語源です。
英語の表現はもっとテキトーで、SlowかFast、そして必要ならVeryかMedium を組み合わせるだけです。英語、イタリア語いずれにしても、あいまいなものです。曲の雰囲気を伝えるだけのものと思って差し支えないです。
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シャンソンではリットとアッチェルをよく使います。
曲の終わりなど、だんだん遅くしたいときはリット。rit. (=ritardando リタルダンド)(rall.=ralletand ラレンタンドも同じ意味)
だんだん早くしたい時はアッチェル。accel.(=accelerando アッチェルランド)
この、だんだん というのもテキトーなもので、正確には、何小節目から何小節目の間で♩=100 から ♩=50 へ という風に書くしか無いでしょう。しかも、ポコpoco(少し) とか、ポコアポコpoco a poco(少しずつ) が付くこともあります。rit,やaccell.が数小節〜数十小節にわたる場合に付くようです。なお、元のテンポに戻る時はa.t.(a tempo アテンポ)と書きます。
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だんだんではなく、そこから急に違うテンポにしたい場合も、特にシャンソンの場合よく出てきます。その場合はPiu Mosso(ピウモッソ) これまでより早く Meno Mosso(メノモッソ) これまでより遅くという表現を使います。これもあいまいなもので、正確には♩=数字 を併記するべきでしょう。最初のテンポに戻る時は Tempo I°(テンポプリモ)と書きます。
以上、1〜3を通じて、結局メトロノームの数字を書くしか正確には伝わらない、とはいうものの数字と併記することによって、思わぬ勘違いを防ぐメリットもあります。
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その場所で長く延ばしたい、とか、(音を切って)止まりたい。という場合があります。延ばす時はその音符にフェルマータという、半円の中心に点がついたマーク★をつけます。止まりたい時は次の休符にフェルマータをつければ良い訳ですが、音符と音符の間に斜線(たいてい2本)を引いて「一旦停止」の意味に使う人がいます。一方、別に止まる訳でもないのに、区切りの意味でしょうか、何となくこの斜線が入っている楽譜も多々ありますね。(楽典としては斜線は定義されていません。)
また、フェルマータ以外に、テヌート(♩の上に短い横棒を引く)を使って「やや延ばす」という表現に使う事があります。テヌートが付くと、テンポもやや間延びする、と思って下さい。しかし、テンポは変えず、ただ粘っこくという意味の時もあります。その区別はありません。いずれにせよ、何拍(何秒)延ばすのか(待つのか)は正確には伝えられません(決まっていません)。
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そして、シャンソンでは多用される Tempo Rubato (テンポルバート:盗まれた速度という意味)は、概ねリズムを止めて、拍を数えずに自由に歌い(演奏し)ます( ⇔ In Tempo インテンポ:一定の速度)。曲の途中でTempo Rubatoになる場合、インテンポに戻る場合は、a.t.(a tempo アテンポ)を書きます。
4,5の表現とrit.が混同されていることがよくあります。rit.は本当は一定の加速度(減速度?)で遅くなっていく時にしか使えません。
1〜5全ての語句は、楽譜の、該当する場所の上に書く事が多いですが特に決まりはありません。rit.だけは下に書く事が多いです。
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